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生きる力を目覚めさせた「つながる」という感覚

島根県隠岐郡隠岐の島「隠岐の島ゲストハウス佃屋」

隠岐の島の雄大な自然のなかで、彼女はもう「島の人」の顔をしていた。かつて都会で働き、深夜帰宅を続けていた彼女はなぜ、この地を訪れ、根を下ろしたのか。人生を大きく変えたのは、あるひとつの感覚だった。

都会暮らしに疲れた心を蘇らせた、大自然のエネルギー

島根県本土からフェリーで約2時間半。隠岐の島の雄大な自然のなかに「佃屋」はある。築120年の古民家を改造した体験型ゲストハウスだ。宿泊客はヤマネやサンショウウオが棲む島内を散策したり、海釣りの成果に舌鼓を打ったりしながら、夜ごと囲炉裏を囲んで語らう。ここの家主を務めるのが、隠岐の島へIターンしてきた古川咲季さんだ。
隠岐の島へやって来るまで、古川さんはウェブマーケティングの会社で働き、休暇を使って海外旅行に出かけてはまた働く、という日々を送っていた。しかし都会での激務に疲れた心はいつしか旅行でも癒せなくなり、彼女は生き方を考え直そうと退職の道を選んだ。
「隠岐の島を訪れたのは、リゾートホテルでアルバイトするためでした。もともと“大自然のなかでゆるーく生きる”というのが性に合っていたのでしょう。それまで自分を覆っていた霧がすーっと晴れ、身体の奥から生きる力が目覚めていくのがわかりました」

自分がそうしてもらったように、人と人、人と自然をつなげたい

ホテルで働いていたとき、古川さんはある疑問を抱いた。ここには若い世代が来ない。若くても十分に楽しめる場所なのに、なぜだろう。そうだ、体験型のゲストハウスを作ったら、もっと隠岐の魅力を伝えられるかもしれない。企画書を書いて支配人に相談してみると「応援するよ」と力になってくれそうな島の人たちを紹介してくれた。
それからは、国の創業補助金やクラウドファウンディングを活用しながら資金を作り、物件を探して改造し、と無我夢中で準備を進めていった。わずか8カ月で「佃屋」はオープンを迎え、その年の8月だけで約100人が宿泊するという快挙を遂げた。
「ここへ来て、私は隠岐を包む大自然とつながり、島の人たちとつながりました。いまは島へ来る人たちと隠岐とをつなげ、つながるという感覚を伝えていきたいと思っています」
佃屋では、時に島の人々も集まって酒を酌み交わす。いま隠岐の島には、「都会からやって来た女の子」が生み出した新たな風が吹いている。

元庄屋だった屋敷を改装した「佃屋」。
●島根県隠岐郡隠岐の島町中村152-1
TEL.08512-4-0077

敷地内の畑で、ナス、トマト、モロヘイヤなど野菜作りも行うオーナーの古川咲季さん。

純日本風家屋のたたずまいをそのまま残した「佃屋」の室内。

佃屋には近所の人もやって来て、BBQなどを行うことも。

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