長野県の東部、佐久市にある「マルカフェ」。家族連れや女性がくつろぐこのカフェでは、県内小谷村の豚肉や南牧村の卵、市内長者原の野菜など、地場産物をメインに使っている。オーナーの柳澤零さん、真理三さん夫妻は、「品質の良いもの、体に良いもの、近くのものを使って料理はシンプルにしたい」という。
柳澤夫妻は、2014年に「マルカフェ」を開いた。夫の零さんは東京出身。有機栽培の地産食材をつかうアメリカのレストラン「ChezPanisse(シェパニーズ)」や軽井沢の飲食店で働いた経験を生かし、厨房に立つ。
妻の真理さんは佐久市が地元。大学生のとき、「東京で暮らして気づいた地方にある資源の価値を守りたい」と、佐久市に戻って飲食店を開こうと決めた。「マルカフェ」という店名は、人やものとのつながりや”継続”という意味をこめ、在学中に考えた。
零さんと真理さんの出会いも、人との縁がきっかけ。二人が西洋野菜の農場「アトリエノマド」で修行していたときだった。「話をしたら、やりたいことの方向が同じだったんです」と零さん。ふたりは、すぐに打ちとけた。
いまカフェで使っている建物は、真理さんの祖母が開いていた薬局をリノベーションしたもので、デザインは零さんの友人が担当。
料理を軸に、さまざまなことを勉強したいという二人。今後は農作物加工所とゲストハウスを開いて、お店を訪ねてくれる人たちと触れあう場所をつくるのが夢だ。土地ならではの生き方を大切にする二人の笑顔はとてもまぶしい。
いまの暮らしのここが好き。