専門学校では、グラヴィール(*1)という技法を中心に学びました。グラヴィールは、カット工法(*2)と比べて難しいので浸透していないんですが、実は僕は高校時代から親父に基礎練習させられていたんです。「小遣いをやるからやれ」と言われて(笑)。アルバイト感覚ですよ。おかげでグラヴィールの授業になったとき、みんなはできないのに僕はある程度できた。親父の手のひらの上でうまく転がされていたという感じですかね。
卒業して親父の工場で下働きを始めてからも、週一回自主的に先生のところに通いました。とにかく基礎練習を繰り返したんです。そうやってグラヴィールを習得した。現在、商売的にベースにしているのはカットですが、その経験は大きかったです。今となっては親父に感謝なんですけど、当時は「めんどくさい」と思っていたんですよ(笑)。
*1シャフトの反対側から、砂をつけた銅板で器に模様を擦っていくという技法。
*2ダイヤモンドホイールを回転させて、ガラスの表面を削っていく技法