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「鎌倉文士に浦和画家」。文教都市の誇りとともに進化する、旧くて新しいまち「浦和」の魅力とは?

【ランクインした調査】
●買って住みたい街ランキング2017 3位
https://www.homes.co.jp/cont/town/town_00111/

「エリアのポテンシャルや人気の向上が見込まれる地域」、「実際に物件が探されている街や駅」が上位に選ばれるランキングで、「船橋」「目黒」に次いで、第3位に浮上した「浦和」。今回は、駅周辺と街の魅力をご紹介します。

「浦和」駅

埼玉県さいたま市浦和区高砂一丁目に位置する、JR東日本「浦和」駅は、埼玉県・政令指定都市さいたま市を代表する駅。

1883年(明治16年)開業。日本鉄道(日本初の私鉄。現在の東北本線、高崎線、常磐線など、東日本旅客鉄道の路線の多くを建設・運営していた)が上野-熊谷間を開業した際に開設されました。上野駅などと並び、最も歴史ある駅の一つです。

市内にある県内最大のターミナル駅の「大宮」と比べると小規模ですが「大宮」駅よりも2年早く開業しています。

■ 最短で「上野」「池袋」駅まで18分、「東京」駅へ25分

JR「浦和」駅は島式ホーム3面6線を有し、上野・東京方面や大宮方面行きの京浜東北線ほか、宇都宮線(東北線)・高崎線(一部、上野東京ラインと呼ばれる)、湘南新宿ラインなどが乗り入れるターミナル駅です。一つの路線でも行き先が分かれるため、乗車時は注意が必要です。複雑な構造は「赤羽」駅とよく似ています。

旧浦和市における「浦和」の名のつく駅はJRで7つ、私鉄で1つと多く、慣れない人は大いに惑わされるため、移動の際にはしっかり駅名を確認するようにしましょう(JR「浦和」「武蔵浦和」「北浦和」「南浦和」「西浦和」「東浦和」「中浦和」、埼玉高速鉄道「浦和美園」)。

「浦和」=「埼玉」=「遠い」というイメージを持たれるかも知れませんが、「上野東京ライン」や「湘南新宿ライン」の利用により「上野」駅、「池袋」駅まで最短18分、「東京」駅へも最短25分でアクセスが可能です。訪れてみると、都心から意外と近いことを実感するのではないでしょうか。

<おもな駅への所要時間>

「大宮」駅まで6分(JR湘南新宿ライン)
「池袋」駅まで18分(JR湘南新宿ライン)
「上野」駅まで18分(JR上野東京ライン)
「東京」駅まで25分(JR上野東京ライン)
「横浜」駅まで51分(JR上野東京ライン)
「宇都宮」駅まで1時間26分(JR東北本線・快速)
「高崎」駅まで1時間37分(JR高崎線・快速)

※いずれも乗り換えなし

■ 駅を中心にバス路線も充実

JR「浦和」駅を発着するバス路線には、「国際興業バス」と「東武バスウエスト」があります。西口、東口ともに8番乗り場まである大型のバスターミナルを有し、ほとんどの便がさいたま市内各所を行き先としています。一部「羽田空港」「志木駅」「蕨駅」「東川口駅」といった市外につながる便もあります。

■ 周辺の3駅を含めた「浦和」エリア

「浦和」駅単体での1日平均乗車人数は9万人ほど(2016年度)ですが、「浦和」駅2キロ圏内にはJR「北浦和」「南浦和」「武蔵浦和」駅という乗車人数5万人ほどの駅が3つあり、この3駅周辺までを含めた旧浦和市域(現さいたま市浦和区、南区、緑区、桜区)が、大きく「浦和」エリア・「浦和」地区とされています。

駅周辺は、江戸時代における中山道の宿場町「浦和宿」でもあり、また調(つきのみや)神社、玉蔵院の門前町として古くから栄えていました。

埼玉県庁舎、市役所を中心とした行政機関、裁判所、主要政党の埼玉県支部、NHKさいたま放送局や日本経済新聞社など、マスコミ各社の支局が浦和駅徒歩圏に集中していることからも、「埼玉県」「さいたま市」の中枢としての役割を担っているエリアといえるでしょう。

西口には、伊勢丹支店中1番の売上高を誇る「伊勢丹浦和店」、複合商業施設「浦和コルソ」があります。また東口にはパルコ全店舗中3位の「浦和パルコ」、駅ビル「アトレ浦和」など、大型商業施設が駅周辺に集中しています。

日常的な買い物、食品等など、これら駅周辺の施設で購入できないものはないというくらい充実しています。

2015年11月に開業した「アトレ浦和」は駅直結、「ザ・ガーデン自由が丘」や「成城石井」など食料品店が充実していて、野菜、鮮魚などの豊富さに定評があります。

西口「伊勢丹浦和店」地下一階の食品フロアには、品質の高い生鮮品のほか、パン、フーズギフトまで揃っています。連結している「浦和コルソ」地下一階も総合食品フロアとなっており、こちらには庶民的なスーパー「富士ガーデン」が、一階には人気の輸入食品店「カルディ」があります。また、西口駅近くには「イトーヨーカドー浦和店」もあり、身近な存在として賑わっています。

東口「浦和パルコ」地下一階には、食品スーパーマーケット「ヤオコー」、オーガニック・自然食品の「こだわりや」など17店舗が、食品、スイーツ、生活雑貨を揃えており、毎日の食卓からハレの日まで、暮らしをバックアップしてくれます。

■ 首都圏有数の高級住宅地「浦和」

江戸時代、天領となったのち中山道「浦和宿」として栄え、明治時代には廃藩置県により「埼玉県庁」が置かれた「浦和」。1923年の関東大震災のあと、震災の被害が少なく、また東京からの距離も20キロ程度と近かったため、被害の大きかった東京や横浜からの移住者で人口を増やしていきました。

なかでも、震災に罹災した文化人の転居者が多かったことから「鎌倉文士に浦和画家」という言葉が生まれたほど。また「浦和区」「南区」エリアには明治時代より医師や官僚らが多く住んでいましたが、現在でも「浦和区」の世帯平均年収は東京23区内の港区や中央区に次ぐ高水準をしめしています。

文教都市「浦和」の名の所以としては、ほかに歴史ある学校の存在も大きく、国内有数の公立進学校として著名な「埼玉県立浦和高等学校」をはじめ、埼玉県内の女子高の中では最も東京大学進学者数の多い「埼玉県立浦和第一女子高等学校」など多くの高校がこの「浦和」エリアに集中しています。

またJR「北浦和」「南与野」駅を最寄りとする、1949年に設置された国立「埼玉大学」をはじめ、エリア内には「慶応義塾大学浦和共立キャンパス(薬学部)」「浦和大学」など大学も多く、若い世代の存在が街に活気を与えています。

「浦和区」域についていえば、ほぼ「大宮台地」の上にあり、明治以降、河川から離れた見晴らしのいいエリアを中心に高級住宅地として発展したことが伺えます。旧浦和市役所跡地に建てられた超高層の「浦和ロイヤルパインズホテル」、現「さいたま市役所」、隣接する「埼玉県知事公館」などのある「常盤」を中心に「岸町」「高砂」「仲町」などがこれにあたります。

駅からはさほど離れていませんが、このエリアに立ち入るとふっと静かな雰囲気が漂います。

■ 首都圏有数の高級住宅地「浦和」

とはいえ、「浦和」は、上品で静かなだけの土地ではありません。現在「浦和」という名を全国に轟かせているのは、ひとえにサッカーJ1リーグの「浦和レッズ」の存在ではないでしょうか。街を挙げての「レッズ推し」のすさまじさは、初めて目の当たりにした人が呆気にとられるほどの迫力があります。

「浦和レッズ」のホームスタジアムである「埼玉スタジアム2002」の最寄り駅は「浦和美園」ですが、旧ホームスタジアムであった「さいたま市駒場スタジアム」の最寄り駅であることから、JR浦和駅も主要アクセス駅として利用されています。

レッズや日本代表の試合の日には駅前からスタジアムへの臨時バスが運行されるため、周辺はレッズのレプリカユニフォームや赤いタオルを身にまとった大勢の真っ赤な乗客らで溢れます。これはこの街の風物詩として、すでに定着したといえるかもしれません。

■ 厳しい条例により風紀が保たれている繁華街

このレッズに因み「浦和区」のシンボルカラーにもなった「赤」は、観戦客らの格好のみならず、ポスター、フラッグ等々、街のあちこちで目にすることができます。が、そんな熱さと相反するようにJR「浦和」駅を中心とした繁華街は、「猥雑さがほぼ皆無」。駅前としても、街としても、一種独特な雰囲気をたたえています。

条例によって風俗店の営業が禁止されていることもありますが、その一番の理由は、前述した「文教都市」としての誉れ高いプライドでしょう。これは「浦和」エリアの街全体に通底して感じられます。

この街の空気感を、鼻持ちならないと捉えるか、心地よく安心できると捉えるか。「浦和」という街の人気の急浮上の背景には、いまのやや不安定な時代の「生活する街」に対する、隠れたニーズがあるのかも知れません。

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