では、実際に35度以上の「猛暑日」や、25度以上の「熱帯夜」が続き、「熱中症」のリスクの高い毎日で、どのように生活し、工夫すれば「熱中症」を予防できるのでしょうか。
先の①環境②カラダ③行動という要因をヒントに、対策を講じてみましょう。なかでも取り入れやすい方法をいくつかご提案します。暑い日には無理をせずエアコンを使うことを基本に、手軽にできる対策ばかりですので、ぜひ取り入れてみてください。
SunnyForest/shutterstock.com
1.朝一番の「風」で換気、お部屋の中の「気温」と「湿度」を下げる
夏の一日で一番冷えている時間帯である朝の風で、住まいを換気しましょう。エアコンや空気清浄機を使っても、部屋の中の二酸化炭素は減りません。またお部屋の空気中には目に見えない塵、カビ胞子などが大量に漂っています。朝一番の外気は夜中に露と一緒に埃が落ちるため、クリアで乾燥しているという利点があり、換気にうってつけです。寝ている間に吐き出した湿気、よどんだ空気を一掃し、お部屋の乾燥を促します。
2.「高い場所」では就寝しない
二段ベッドの上段、ロフト上、最上階など、天井に近く熱が上がりやすい、また熱の溜まりやすい「高い場所」で就寝するのはなるべく避けましょう。「低い場所」に移動するだけでも劇的な温度変化を実感することができます。寝苦しさが減り、睡眠をしっかりとれるようになります。双方の就寝位置に温湿度計などを設置し、体感だけでなく数字でもぜひ確かめてみてください。
3.南向き、西向きの窓には「レース」「ドレープ」両方のカーテンをかけ、閉めてからエアコンを稼働させる(環境)
ガラス窓から室内に入ってくる熱量はあなどれません。特に西向きの窓には午後遅い時間まで、また部屋の奥深くまで日光が差し込みます。ベランダ床などが日差しで熱を帯び、その照り返しや輻射熱による影響も少なくありません。この熱を遮るには、二重に「カーテン」をしっかり閉めること。カーテン間の空気層で断熱効果を高めた上で、お部屋のエアコンを稼働させましょう。昼間の外出の際なども、戸締りした上でやはりカーテンを閉めて。
4.床の温度を下げる
住まいがフローリング床などの場合、掃除に「水拭き」を取り入れることで気化熱により床をひんやりさせることもできます(行動)。これは市販のフローリング掃除用のウエットシートでも実行可能ですので、ぜひ試してみて下さい。
AfricaStudio/shutterstock.com
じつは、昔ながらの「水風呂」(行水)「塩を振ったスイカ」(電解質摂取)なども、あながちバカにできない「暑さ対策」になります。冒頭でも触れた「自分には熱中症なんて関係ない」と思うことなく、しっかり対策して元気に夏をお過ごし下さいね。
(※)熱中症予防情報サイト(環境省)http://www.wbgt.env.go.jp/