総武中央線「信濃町」駅。都心の真ん中にありながらあまり目立つことのないこの街ではあるが新宿御苑、明治神宮外苑、赤坂御用地といった23区内有数の庭園地帯に囲まれた自然あふれる地区であることはあまり知られていない。
この緑多き街の細い路地に佇むコンクリートに覆われたこだわりを感じられるクールな外観。入り口を入るとこの物件のシンボルともいえるパティオ(中庭)が広がる。
パティオはスペイン語で「裏庭」を意味するそうですが、その起源は中東と言われ、暑く乾燥した気候から少しでも涼をとるため、塀や建物などで囲った空間であったそうです。
仕事を終えて帰宅するときにこうした空間に緑があると、なんだかホッとするのは筆者だけではないであろう。
プライバシーが確保された設計
クールな外観とは相反する機能的で白を基調とした柔らかな室内。建物が隣接する窓にはすりガラス。共用部に面している部分にはガラスブロックなどプライバシーをしっかり守りながら採光をしっかり確保。バルコニー側には大きな植栽があり、部屋から常に緑を感じ季節の移り変わりを感じることができる。
江戸時代、信濃町周辺は武家地として栄え、外苑東通りの両側に永井信濃守の屋敷があった事から『信濃殿町』又は『信濃原』と呼ばれていた。武家屋敷などの大きくまとまった用地が取得し易かった事からその跡地には病院や公共施設などの大型施設が多く立ち並ぶ。その代表的な建物が駅前に建つ慶応義塾大学病院。多くの要人や有名人が訪れる事で有名である。
慶応義塾大学病院